エッセイ:エイジング話【第2回】
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土からやきもの・野菜
やきものは土選びから始めます。京都の山科に泉陶料という粘土屋さんがあり、国内各地から取り寄せた土を、ほぼ半年毎に20Kg入りダンボール3箱を届けてもらっております。
陶器作家は自ら山へ土を掘りにも行かれますが、筆者はFAX用紙にチェックを入れるだけでかなり横着をしています。
肥沃な土地からの産物として、九条葱・壬生菜・鹿ケ谷かぼちゃ・聖護院蕪・万願寺唐辛子・賀茂茄子・金時にんじん・柊野ささげ・堀川ごぼうなど、土地名がついた野菜が京都には古くからあります。
今はブランド野菜として、神奈川県のマーケットでも見かけます。筆者が好みの賀茂茄子と赤が映え、味も良い金時にんじんの写真を貼ります。
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にわとりを自ら飼って観察し、細密かつ大胆に描いた伊藤若冲氏の絵は、京都の寺町今出川を上がった相国寺(しょうこくじ)に残っています。子供のころ、相国寺の境内で野球をやっていて住職に見つかると退避先は今宮神社でした。
大徳寺に隣接する今宮神社の門前の左右には、2軒の味噌仕立て香り高い「あぶり餅」があって、それぞれ店構えと微妙な味の違いを代々の方達が今も受け継いでおられます。
伊藤若冲氏は、京都の中心部の錦小路商店街で八百屋の店主もされており、商店街の振興にも尽力されたと聞き、高価な絵の具と高級紙を使う道楽な絵師ではなくて、本業にも尽くされたことを知りました。さすが京野菜を描いた絵には、伊藤若冲氏の凄さを再認識しました。
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