【第2回】食品業界の挑戦:SDGsと脱炭素が変える未来

近年、食品業界におけるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが加速しています。これまでは環境対策や食品ロス削減が中心でしたが、異業界との連携による新たな活用法が生まれつつあります。例えば、養蚕を活用した豚ワクチンの開発など、食品業界にとどまらない技術の応用が広がっています。本稿では、食品業界がSDGsを推進する上での異業界連携や採用面での影響に注目し、未来の可能性を探ります。

1.    SDGs推進における異業界連携の重要性

食品業界におけるSDGsの実践は、単なる環境対策だけではなく、技術革新や他業界との協業を通じた価値創造にもつながります。例えば、製薬業界や農業分野と連携し、食品資源の新たな活用方法を模索する動きが活発化しています

(1)    養蚕とワクチン開発:異業界の融合                             

従来、養蚕業は絹製品の原料供給が主でしたが、近年ではバイオテクノロジーとの融合により、新たな価値を生み出しています。例えば、蚕に特定の遺伝子を組み込むことで、ワクチン成分を生成する技術が開発されました。この技術を豚用ワクチンの製造に応用しようとする企業もあります。食品業界においても、この技術を応用することで、サステナブルな動物医療や畜産業の発展につながる可能性があります。例えば、飼料や健康食品の開発に応用することで、より安全で持続可能な畜産業を構築できるのではないでしょうか。

(2)    食品副産物のバイオ素材化:製造業との協力

食品加工の過程で発生する副産物をバイオ素材として再利用する取り組みも進んでいます。例えば、ビール醸造で生じる「ビール粕」をバイオプラスチックの原料として活用する技術が開発されています。これにより、廃棄物削減だけでなく、環境負荷の低い新素材の供給が可能になります。また、コーヒーかすや果実の皮を染料として利用する技術も登場しており、食品業界と繊維・アパレル業界の連携が進んでいます。これらの取り組みは、食品業界が単なる「食」にとどまらず、環境負荷の少ない製品開発に貢献できることを示しています。

 

 

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