エッセイ:エイジング話【第72回】

検査と時間の話

 水質分析は結果を得る迄に時間を要します。時間は要求する精度に依存しますが、測定対象が微量な定量は、正確なデータを得るに試行錯誤が続きます。検体の濃度範囲を把握するため、希釈倍率を変えた予備試験を繰り返します。
 ここははかりへ乗ると、直ぐ体重表示が現れるヘルスメーターと異なります。体重測定では、予め3kg程の赤ん坊や100Kg越のレスラーが乗ることを想定せず、およそ11kg~99kg範囲で2桁~3桁Kg測定を想定しているからです。今回は、正確なデータを得るまでにかかる時間の話です。
 海水中の有機汚染COD検査を行います。この検査は、海水と酸化剤を接触させ海水中に溶けている有機物が酸化される時に消費する酸素量を滴定で定量します。
 ちなみに、COD30分間で結果が出るCODMn2時間で結果が出るCODCr 2つがJIS K 0102に記載されます。CODCr の方が多くの種類の有機物を正確に測定できますが、CODMn短時間で結果を得られるメリットがあります。
JIS K 0102 : 工場排水試験方法
 酸化反応において時間軸は大きなファクターです。お肌のエイジングも太陽光による自然現象ですが、石炭石油はもっと長い時間での酸化反応の果ての成果物です。トタン屋根が退化するも短い時間での酸化反応でしょう。
 最近は一斉発表はありませんが、昭和の時代に海開きは7月1日に決まって各地の海水浴場から、BOD値COD値が発表されたものでした。これにより安心して海水浴場へ出ける目安だったのです。

 

 

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