【第11回】Pharma4.0と製造現場のデジタル化施策
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Pharma4.0 スマートファクトリーへの挑戦 Challenge to the Pharma4.0
本コラムでは、Pharma4.0スマートファクトリーに向けた医薬品製造業の課題に対する当社の各種取り組みをご紹介します。大きな基盤づくりの方法論から、各種課題解決ツールまで、幅広くご紹介しますのでご期待ください。
第11回目は、「プログラムマネジメント」について、以下の順番で解説します。
1. 3つのPM
2. プログラムマネジメントとは
3. なぜプログラムマネジメントが必要か?
4. おわりに
1.3つのPM(Portfolio, Program, Project)
経営論などでPMという言葉を目にしたとき、Mは大体managementですがPはどのような言葉を思い浮かべるでしょうか?
本稿で取り上げるプログラムマネジメントの語源を調べると、Proはラテン語の「~のために、前に」の意味があり、gramにはギリシャ語の「書かれたもの」という意味があるようです。要するに、「事前に書かれた手順」とも言えるものです。またマネジメントは「管理、取り扱い、術策」などの意味を持ちます。暗に「成し遂げる」や「変革する」という目的を我々に想起させます。従い、プログラムマネジメントとは、組織全体の戦略や目標、ステートメントを達成し、ビジネスを成功させる道標を指すことになります。
プログラムはプロジェクトの上位概念であり、プロジェクトをマネジメントする技術や知識が前提となります。
忘れてはいけないもう一つのPMがあります。それはポートフォリオマネジメントです。期待収益にリスクの考え方を取り入れ、実施すべきプログラムやプロジェクトを選択するものです。
3つのPM(Portfolio, Program, Project)に触れてみましたが、今回はプログラムにフォーカスし経験から学んだことを述べさせていただきます。
2.プログラムマネジメントとは
複数のプロジェクトが同時並行的に動くことも多くなり、それらをマネジメントする方法論ということで「プログラムマネジメント」という言葉を聞く機会が多くなってきたと思いませんか?
弊社は、ITアプリケーションの導入、あるいは新規IT技術の業務への適用試用(PoC)において、企画から導入、保守、運用までを支援という形でお客様にサービス提供させていただいていますので、本稿ではITアプリケーション導入におけるプログラムマネジメントについてご紹介いたします。
筆者のこれまでの経験では、プログラムマネジメントの型は、大きく2つに分類されます。プロジェクトを段階的に展開していくタイプのプログラムマネジメントとプロジェクトを同時に複数立ち上げていくタイプのプログラムマネジメントです。それぞれについて、図を用いて簡単に説明します。
<段階的展開のプログラムマネジメント>
段階的展開のプログラムマネジメントは、複数のサイトに共通に適用するITアプリケーション(例えばMES)のコア機能の構築・運用を担うコア部分とサイトへ導入を展開するプロジェクトから構成されるプログラムマネジメントです。
ITアプリケーション構築のキーポイントである業務プロセス設計/設計に基づくITアプリケーション機能の開発・改変は常設部署のコアチームで運営され、各サイトへの導入はプロジェクトとして定義し、同時に展開します。
<同時立上プロジェクトのプログラムマネジメント>
同時立上のプログラムマネジメントは、文字通り同時に複数のITアプリケーションを導入するプロジェクトから構成されるプログラムマネジメントです。新業務の設計・プロジェクト遂行に伴う現行業務継続に対する影響評価/対策は、1つのプロジェクトだけでは十分な整理が出来ないため、PJ間の整合性・調整をマネジメントする運営組織を構成します。
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