基礎からのGVP【第23回】
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~資料の保管~
はじめに
GVPをはじめG(X)Pにおいては、実施された業務の記録及びその根拠資料等がないと、何も実施されてこなかったことに、あるいは何も判断されずに、偶々こうなっていると判断されても、反論できません。過去に実施された安全確保対策、現状の業務内容につきいつでもその経緯につきトレースできるように記録・資料が保管されていることが必要である。
1. 概要
安全確保業務並びに製造販売後調査等業務の結果、作成された情報・資料は多種・広範にわたり且つ大量なものとなる。得られた情報は、永続的に製品の有効性・安全性そして品質に関わるプロファイルとして活用されていくものであるが、資料そのものの保存については適正な管理手順に基づき保管され、一定期間が経過した場合は廃棄するなどの対応が必要である。
2. 資料の種類と保存期間
2.1. 業務手順書・体制関連資料
業務手順書と安全管理業務に従事する者の責務及び管理体制定めた文書は、作成者のいかんに
かかわらず、GVP省令において、文書を作成し、又は改訂したときは、当該文書にその日付を
記録し、これを保存しておかなければならないとされている。これらの資料は履歴管理(改訂
個所、改訂理由の記録)をしながら永久保存されるべき資料と考える。
なお、最新版の手順書等については総括の事務所に、また、安全管理部門並びに実施部門に
おいては、部門が担当する業務に関する手順等の写しを備えていなければならないとされている。
2.2. 安全確保業務における資料
安全確保業務に係る記録の保存は、GVPにて
• 文書・記録の保存期間は、当該記録を利用しなくなった日から5年間
• 生物由来製品については10年間、特定生物由来製品は30年間
• 特定保守管理医療機器及び設置管理医療機器は15年間
• 自己点検、教育訓練に係る記録は作成した日から5年間
と規定されているが、安全確保業務は永続的に資料を活用していくものであることから、
利用しなくなる日は来ないため、全ての資料は永久保存しておくことを勧める。
なお、製造販売業者が指定する者に記録を保存させることができるので、予め手順書で定めておく。
2.3. 業務管理資料
2.3.1. 自己点検
記録の作成後5年間の保存が規定されているが、これも再審査対象品目があり
信頼性調査のとき提示を求められるので、再審査に係る記録となりこの規定
どおりにならないので留意すること。
2.3.2. 教育訓練
前項におなじで、5年では処分できないので留意すること。
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