日本の製薬業界の未来を考えたい【第8回】
医薬品等の回収について
皆さん、お久しぶりです。
今回は、医薬品等の回収についてお話ししたいと思います。
「回収」という言葉を聞いて、あまり良いイメージを持たれない方が多いのではないでしょうか。私自身も行政当局で回収業務を担当していましたが、回収案件への対応は非常に重い責任を伴うものであり、決して気の進む業務ではありませんでした。
しかしながら、回収は医薬品等の安全性を確保するために不可欠な制度であり、その実施についてはいわゆる医薬品医療機器等法(以下「薬機法」)に規定されています。
薬機法第68条の9第1項では、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の製造販売業者等が、その製品の使用によって保健衛生上の危害が発生し、又は拡大するおそれがあることを知った場合には、被害の発生又は拡大を防止するため、廃棄、回収、販売停止、情報提供その他必要な措置を講じなければならないとされています。また、同条第2項では、医療機関、薬局、販売業者及び医療関係者等に対し、製造販売業者等が実施する回収などの必要な措置に協力するよう努めることが求められています。
さらに、回収に関する報告義務については、薬機法第68条の11に規定されています。同条では、製造販売業者等が自主的に回収を行う場合には、回収に着手した旨及び回収の状況について、厚生労働大臣へ報告しなければならないことが定められています。
実務上は、回収を決定した製造販売業者が、まず公表用の回収情報を作成します。その後、製造販売業の許可権者である都道府県に対して回収着手の報告及び公表資料の提出を行い、内容の確認を受けます。確認後、都道府県からPMDA(医薬品医療機器総合機構)の「医薬品等回収関連情報」サイトへの掲載手続が進められ、インターネット上で回収情報が公表されます。
これにより、医療機関、薬局、販売業者及び一般の利用者に対して迅速な情報提供が行われ、対象製品の流通停止や回収が進められることになります。
このように、回収制度は単なる製品の引き上げ手続ではなく、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための重要な安全確保措置です。その実施に当たっては、製造販売業者、行政機関、医療関係者など多くの関係者が連携して対応する仕組みとなっています。
回収クラスの分類
製造販売業者は、回収を実施する際、その内容を当局へ報告するとともに、回収対象製品による健康被害の危険性の程度に応じたクラス分類を行わなければなりません。
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