私たちの身の回りの微生物【第4回】
私たちの身の回りの微生物 ~家電製品内に潜むカビをどう退治する?~
1. 外側から見えない、家電製品内部で育つカビ ~エアコン編~
エアコン内部に発生するカビは、外側から観察できないことに加え、内部構造が複雑な熱交換器や送風ファンなどに発生するため、掃除で十分に除去することが難しい。そればかりでなく、強引に内部に手を入れて掃除しようとするとケガや製品故障などにつながる可能性があるため、内部の奥まで清掃する場合には、専門業者への依頼を検討する必要がある。そこで、いかにして内部のカビ汚染の進行を遅らせて、専門業者へ掃除依頼するまでの期間を長くする取り組みが重要となる。
2. エアコン内部に発生するカビ退治
2-1. エアコン購入時に検討したい防カビ機能
エアコン内部に発生するカビの退治は、商品の購入時点から始まっている。最近では様々な防カビ機能を搭載したエアコンが各メーカーから発売されている。その代表的な機能は、①内部クリーン1) ②熱交換器除菌2) ③イオン除菌3) の3つである(図1)。①については、カビの発生要因のひとつが水分(水滴や高湿度状態)であることに着目している。エアコンを運転することで発生した内部の結露水を<弱い暖房+送風モード>で早く乾燥することでカビの発生を抑制する。②については、カビが熱に弱い性質に着目し、熱交換器に残った水分を55℃以上に加熱する方法である。多くの細菌やウイルスを熱殺菌するためには60~70℃の温度が必要となるが、カビの場合は高温に弱いものが多いため、効果的な方法のひとつと言える。③については、有名な方法であるものの効果に関しては意見が分かれる方法である。イオンの作用によって生成するラジカルなどの活性種がカビに作用する仕組みが一般的だが、その信頼性については議論の余地がある印象を持つ。機能①と②は、カビにまつわる明確な原理に基づいた方法であるため、エアコン購入時にはどちらかを優先的に検討するのが良いだろう。
2-2. 日常管理で内部のカビ汚染の進行を遅らせる
エアコンには室内に浮遊するハウスダストをトラップするためのフィルターが使われており、これによって比較的大きいハウスダストをトラップしている。しかしながら、微小なハウスダストはフィルターをすり抜けてエアコン内部にある送風ファンや熱交換器に付着する。このハウスダストにはカビの胞子だけでなく、人の皮膚片や垢、食品のカスなどが混在しており、カビの栄養分となる。そのため、フィルター掃除を確実に行うことがカビへの栄養分の供給を絶ち、カビの発生を抑制することにつながる。さらにはハウスダストの供給源である室内を定期的に掃除する習慣も重要となる。
また、エアコン吹き出し口などの利用者が容易に清掃できる箇所については、アルコールを用いて殺菌・除菌するのが効果的である。吹き出し口に付着するカビの量や付着頻度が目立つようになってきたら、内部のカビ汚染が進行しているサインである。ここを意識して内部のカビ汚染を間接的にモニターし、最終的には無理に自分で対応せず、専門業者に掃除を依頼する流れが良い。
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