効率的・効果的なGMP監査を目指して【第3回】

第3回 GMP監査マニュアルの活用

 効率的・効果的な監査が広がって、製造販売業者と製造業者の両者にとって監査がWin-Winとなることを願って、第3回~第6回の投稿内容には、個人的な経験や考え方に基づいた踏み込んだ内容も含まれていますので、ご留意ください。

1.GMP監査マニュアルの位置付け
 GMP監査マニュアル(以下、本マニュアル)は、GMP監査(以下、監査)を行う際の考え方や手順等を例示したマニュアルであり、製造販売業者が監査手順書として、そのまま使用されることは意図しておらず、製造販売業者が自らの監査手順書を見直し・改訂する際に必要に応じて本マニュアルを活用されることを想定している。一部の関係者からは、そのまま使えるモデル監査手順書の作成要望があったが、手順書ではなくマニュアルとして作成した意図を理解いただきたい。
 尚、第2回目「GMP監査マニュアルとは」でも記載した通り、本マニュアルには、監査頻度、監査日数、製造所の評価点数等、監査に関する数値を記載しているが、あくまでも例示であり、製造販売業者自らが考えて設定すべきものである。また、本マニュアルには、監査に関する手順の要素以外に「注」として、監査の注意点・要点や別の方法を記載している。手順と合わせて理解した上で、必要に応じて監査手順書に追記や監査自体に反映されることを想定している。

2.本マニュアルの活用について
2.1 基本的な考え方
 本マニュアルは、監査を行う際の考え方を示したものであり、具体的な事例等は、企業規模が大きな製造販売業者が実施するような、理想的な事例を記載したものであり、各社における監査手順書に対して本マニュアルを準拠させることは意図していない。各社における監査手順書は、最終的には各製造販売業者の責任の下、 制定・改訂すべきものであり、製造販売業者が制定している監査手順書を見直し・改訂する際に必要に応じて本マニュアルを参照として活用されることを想定している。GQP省令では、製造販売業者が定期的に製造所のGMP省令・GQP取決め等の遵守状況を確認し、改善が必要な事項が確認された場合は、改善を指示し、必要に応じて改善状況を確認、それらの結果を記録することを求めているが、監査そのものに関する事項(監査頻度・監査手法・監査日数・監査員数、監査員の能力・資質等)は何も規定されていない。要は、冒頭に述べたように製造販売業者自らが考えて、自社ができる効率的・効果的な監査体制・手法等を規定した監査手順書を制定・改訂し、製造所に対する監査を適切に実施する必要がある。

2.2 注意点
 本マニュアルは、厚労省の通知として発出されたマニュアルだからといって、自社の企業規模や管理対象となる製造所数等を考慮せず、本マニュアルに記載されているすべての事項を自社手順書に反映させて、「手順書は立派、しかし、遵守できていない」となる状況は絶対避けるべきである。本マニュアルを参照して、自社の監査手順書には手順化されていない項目や手順化されているが改善の余地がある項目等があれば、実行性も考えて、段階的・継続的に監査手順書を改訂(含む、監査体制の向上)されることをお奨めする。

2.3 製造所の監査以外への適用
 本マニュアルには、製造販売業者が実施する監査だけではなく、製造所が実施する原料等の供給者・外部委託業者に対する監査、製造販売業者・製造所が実施する自己点検にも適用できる項目もあると考える。

 

 

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