ゼロベースからの化粧品の品質管理【第69回】

―OEM先査察の進め方―

 化粧品GMPに関する管理体制の充実に向けて、前回は原料メーカーの査察の進め方について、CFfCIの要求事項を踏まえてお話させて頂きました。
化粧品の製造については、自社製造所による対応だけでなくOEM先を活用したケースが増えています。薬機法の下では、化粧品の製造販売業者は、製造行為そのものを他者に委託していたとしても、市場に流通する製品の品質・安全性について最終的な法的責任を免れません。但し、OEM先の査察を行う場合には、情報の欠落や品質に対する捉え方が違うことに対するリスクを踏まえて行わないと管理体制が整っているとは言えません。
そこで、今回は自社工場との違いを踏まえたOEM先の査察の進め方について解説したいと思います。

1.自社製造所とOEM先生産の違いについて
 製造販売業者は、市場に流通する製品について、OEM先の生産品を含めて制度的に責任を担保することが求められており、GQP省令とGVP省令により定められています。
 自社製造所を持つ場合には、製造販売業者は品質保証部門と製造部門が同一法人内・同一拠点内に存在し、日常的な情報共有と是正の即時性が担保され易い環境にあります。しかしながら、OEM委託の場合には、製造実態に関する情報は本質的に「受託者側が保有し、委託者側は求めなければ得られない」という非対称な構造の中にあります。
 一方、そもそもGQP省令が要求する「製造業者等に対する管理監督」、「回収処理」、「変更管理・逸脱管理に関する情報の把握」やGVP省令が要求する「安全管理情報の収集と製造販売業者への迅速な報告体制」は、いずれもこの情報の非対称性を前提として設計された規定です。しかし、実際には自社製造所でも十分機能していないのが実態です。そのため、査察はその溝を埋めるための唯一かつ最も直接的な確認する機会となるため極めて重要です。
 したがって、査察に関しては、単なるISO22716の要求事項の各項目のGMPの適合性の確認者ではなく、「自社が本来持つべき情報を、法的に取り決めた範囲内でどこまで受託者から引き出せているか」を検証することを強く自覚し、実施することが必要です。

2.自社製造所とOEM先の構造的リスクの違い
 OEM査察に際して、査察計画の作成にあたっては、自社製造所とOEM先と間で、本質的にリスク構造が異なることを踏まえ次の3項目を中心に調整を図ることが必要です。

① 情報伝達の経路依存性
 自社工場であれば逸脱や変更の情報は組織内の正規プロセスを通じて自動的に品質保証部門に届く仕組み化は比較的容易です。

 

 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます