コンビネーション製品 ~医薬品と医療機器の間で【第5回】

第5回 無菌保証

1. 滅菌方法を「なんとなく」で選んでいませんか?
新製品を開発する際、「これまでの薬剤はオートクレーブで滅菌していたから」「容器はEOG滅菌だったから」という慣習だけで選んでいないでしょうか。 過去のデータを活用すれば設定は容易かもしれませんが、素材の劣化や長期安定性を考慮すると、より最適な方法が存在する可能性があります。 現代のものづくりには、品質・環境・効率を高い次元で両立させた、製品にとってベストな滅菌方法を選択する視点が求められています。

<日本薬局方参考情報に記載された滅菌法>

2. 滅菌方法を選ぶ「黄金のルール(デシジョンツリー)」
AAMI(米国医療機器振興協会)のガイドラインでは、以下のような優先順位で検討することが推奨されています。 

ステップ1:まずは「熱」に耐えられるか? 

  • 可能であれば、最も信頼性の高い湿熱滅菌(オートクレーブ)や乾熱滅菌を優先的に選択します。 

ステップ2:熱が難しければ「放射線」 

  • 熱に弱い素材の場合、放射線滅菌を検討します。ただし、放射線は時間経過とともに素材を劣化させる可能性があるため、事前の安定性評価が不可欠です。 

ステップ3:放射線も難しければ「ガス(EOGなど)」 

  • 上記の方法が困難な場合に、初めてガス滅菌を選択肢に入れます。素材への影響が少ない利点がある一方、EOG(エチレンオキシドガス)は毒性が強く、製品への残留濃度管理や環境負荷への配慮が厳格に求められます。 

ステップ4:最終滅菌が困難なら「無菌操作」 

  • 製品をパッケージした状態での滅菌(最終滅菌)ができない場合は、無菌ろ過などの高度な工程管理へ進みます。 

ステップ5:それでも担保できなければ「再設計」 

  • 無菌性が担保できない製品は、設計段階から見直す必要があります。 
     
滅菌モダリティ選択プロセスの図解
出典:AAMI INDUSTRIAL STERILIZATION Process Optimization and Modality Changes

 

 

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