封じ込め周辺情報あれこれ【第3回】

第3回 『封じ込め周辺情報あれこれ ~高薬理活性医薬品のハザードレベル』

 

※本稿著者によるセミナー
■2026年10月1日(木)開催
高薬理活性医薬品製造設備の封じ込め技術と洗浄のポイント
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高薬理活性医薬品は、職場曝露限界値(Occupational Exposure Limit:OEL)が10μg/m3以下である物質を指す。この数値基準は、ISPEからのBaseline Guide Vol.1 ( API)によっているが、世界的にも共通である。さらに、封じ込め現場では、OELの数値を用いた職場曝露区分(Occupational Exposure Band :OEB)という用語が使われている。例えば、OEB=4は、OEL=1~10μg/m3に該当する。端的に言えば、高薬理活性医薬品とはOEB=4以上のハザードレベルのものを指す。

まず、高薬理活性医薬品は医薬品の中でどの位の割合を占めているのだろうか。

国際市場の医薬品および開発中製品の25%以上は、高薬理活性API(Highly Potent API : HPAPI)で処方されているとされる1)。これらの主要な部分は抗がん剤であり、認可された抗がん剤の約60%はHPAPIによっているとされている。

次に、このような中で、封じ込め設備で扱う物質のハザードレベルの大小とその割合はどうなのだろうか。少し旧いデータであるが、幾つかの例を見てみたい。

(1)毒性学専門家のBarle(当時ノバルティス社に在籍)が2017年に報じた例がある2)。同社の200個の物質について一日曝露許容量(Permitted Daily Exposure : PDE)の分布を分析したものである。OEB=4、OEB=5、OEB=6に該当するのは、それぞれ23%、12%、2%となっている(図1)。なお、図中のOEB表記は筆者が加えたものである(OEL=PDE/10としている)。

(2)HBEL設定業務を受託している企業が、受託案件(1200件)を解析した例がある(2018年)3)。別の視点からの動向が見てとれる。
その解析例における製品カテゴリーには、解剖治療化学分類法(ATC分類)による複数のグループが含まれている。そのうち、抗がん剤および免疫抑制剤が含まれているグループLについて見てみる。グループLの製品内における活性レベルの割合を図2に示す。
 

ハザードレベルが高い製品(OEB=4~6相当)が65%を占めているのが分かる。OEB=4だけではなく、OEB=6も大きな割合を占めているのに気づく。

 

 

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