【第11回】私が経験した(GMP)医薬品製造にまつわる話 ~喫煙室のOBぼやき噺 編~

 昨今、テレビ報道で戦地の映像をよく目にします。小さな子供たちの涙は、こころが痛みます。病院が狙われるなんて、平和な国に生きる者には想像できない悲劇です。そんな現地に医薬品、医療機器は、食品と同じ大切なものと再認識します。
※トランプ氏の手腕に期待したいですね。

 回収医薬品を祖母が服用していた

 工場品証に属していたころ、ある自社医薬品の自主回収の一報メールにいつも通り目をとおした。そんな日、帰宅すると祖母の部屋にある薬袋に該当品が入っていました。母に明日、掛かりつけ医に相談するように伝えました。身内に回収の問題が関わるとは複雑な気持ちになったことを以後も意識します。(皆さん、考えてください)

 現場保管室で作業、構造設備変更違反

 スポット生産の包装作業ですが、包装室に余裕がないため、現場担当者が無許可で資材保管室で作業をしていた。品証、発見して行政に構造設備変更していない旨を相談し、後日であるが変更届を申請、当局より、社長(子会社)の顛末書提出を要求されました。当然、現場担当者に懲罰をかしました。変更が工事ならば、図面に経緯を加え、最新化する要求をFDAならば指摘されます。図面管理をしっかりしてください。

 試験も製造と同じ

 実は、品質管理における試験も、状態表示(どんな試験をだれが?)と実験台も使用区分をマスキングテープで仕切ることです。FDAなどでは指摘をされます。

 机の上の製品、そんな管理ダメ(行政違反になるよ)

 よく、机の上に調査用?と思える製品を書類と合わせ煩雑に置きっぱなしの方が見えます。どんな教育より、これこそGMP意識が低いと判断しますね。ある製販でロッカーに置いてあることに、行政に薬機法違反の立ち入りがありました。許可なく扱ったことに違反です。

 クローズ環境への改造指摘

 FDA査察の指摘で「クローズ環境」を強く指導されました。まだ、国内製造所で対応してない会社もあると思います。一例を紹介します。晶析の糖液投入や水洗浄終了を判断する際、釜上部の蓋をよく開けていました。これでは異物が入る。密閉せよ。蓋を撤去し、ガラス張りの覗き窓に変更。水洗浄判断には、釜側面よりバルブ増設(SS:シリンダーの沈降テストに変更)しました。ここで教えていただいたクローズ環境の考えは、以後の会社でも活用できました。

 倉庫は、入出庫管理・入退室管理が大切

 FDA査察対応で原材料・製品倉庫を改造しました。大型の重量シャッター2台の使わない1台は、そのまま。シートシャッター併設の1台をフォークリフト用の両開きしない物に改造。入退室は、倉庫事務所通過する経路に集約。倉庫事務所で部外者教育や管理をしました。案外、古い倉庫でもうまく改造できますよ。

 数値化できない発色検査のデータとり

 実際に指摘に対し、対応した方法を紹介します。数値化できない理由で製造記録書に検査 OK/NG のレチェックで済ましていた。ここに指摘。証拠を残せ!(指摘)
苦心惨憺の結果→写真を撮影し、カラー印刷の画像を添付しました。
何事も、GMPは証拠第一!!!

 署名捺印管理台帳は、異動時 一緒に移動

 意外に教育記録と同じ管理ができていない場合あります。これは、上長が誰が署名しているか?何をもって確認しているか?が証明できません。気を付けてください。ロッカー入れっぱなしのGMP書類(特にSOP)と同じ状況になりますよ。
GMPは、実務活用が基本です!!!

 

 

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