医薬品のモノづくりの歩み【第38回】

執筆者関連書籍「医薬品製造におけるモノづくりの原点と工場管理の実践

医薬品の「モノづくり」と小集団活動(4)

 前回、経営を取り巻く環境変化から、小集団活動が、現在の工場経営のツールとして時代遅れになっていないか考察しましたが、ここでは、現在を工場で働く若手従業員、特にZ世代にフォーカスを当てて、小集団活動の在り方について触れたいと思います。

 まずは、ここで言う若手従業員のZ世代とは、2024年時点で13歳~29歳
(1995年~2011年生まれ)までとされています。この世代は、物心ついたときからすでにインターネットやSNSなどデジタル技術が発達している社会で育ってきたデジタルネイティブ世代と言われています。Z世代の特徴は、周りと仲良くできて協調性があり、人当たりの良い若者らしさはありますが、積極的に責任を受けて行動することを控えるタイプのようです。多様性に寛容で、お互いに価値観を尊重し合えるような関係性を好む傾向にあって、タテのつながりより、ヨコの空気を大事にし、共通の趣味や考えを持った人たちや面識がない人とも自然とコミュニケーションを取ることができる世代です。1)
この世代の仕事観は、一つの企業で長く働くというよりは、転職を前提とした働き方を志向する世代であるとされていますが、製造業の新入社員では、他業種に比べて、ひとつの会社で長く働くことを求める傾向にあります。それは、ゆとり世代の教育改革の影響を受けた結果、競争を避ける傾向があり、安定志向が強いことによります。また、長期的な視点で「自分を成長させたい」とするキャリア形成を重視する傾向にあることも関係していると思われます。2)3)
 多くのZ世代には、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを重視する価値観を持っており、仕事においても無駄を避けたいと考える人が多いため、業務の意味や目的、意義、理由への関心が高い傾向にありますが、一方で、柔軟な思考や協調性を持ち、チームワークを大切にする特性も見られます。
 このようなZ世代が工場の若手従業員として活躍し始めている現在、小集団活動が彼らに受け入れられるものなのか、あるいは、活動そのものが彼らの特徴に合っているものなのか、改めて、小集団活動とは何かを振り返りましょう。
 

 

 

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