日本の製薬業界の未来を考えたい【第6回】
皆さん、FDA についてはご存じの方も多いと思います。
(参考:https://www.fda.gov/)
私は 2010 年ごろ、FDA の CDRH(医療機器・放射線保健センター)が主催する、世界各国の規制当局向けセミナーに参加した経験があります。CDRH は主に医療機器やレントゲンなどの放射線機器の査察を担当している部門と考えていただければ良いと思います。今回は、そのセミナー受講時の経験から、FDA 全体を説明することはできませんが、施設の様子や雰囲気を少しでも感じていただければと思います。
■ 初めての FDA 訪問
CDRH FORUM FDAの数年前に、私が初めて FDA を訪れたのは、厚生労働科学研究の一環で「各国の査察手法」を学ぶためでした。当時、FDA のオフィスはワシントン郊外のメリーランド州ロックビルに、複数のビルに分散していました。ロックビル近隣にはベセスダという町があり、歴代アメリカ大統領が治療を受ける海軍病院、NIH(米国立衛生研究所)、PDA 本部などが所在しています。この周辺は、アメリカの保健衛生の拠点という感じがしました。あとからですが、アメリカ合衆国は医療・保健衛生を「安全保障」の一環と捉えていると学習しました。
ロックビルへ行くには、ワシントン近郊の空港から市内中心部へ向かい、ホワイトハウス近くから地下鉄レッドラインで終点シャディーグローブ駅で降車します。そこからタクシーで約 5 分で CDRH に到着しました。訪問時には意見交換を行い、「Inspection Operation Manual(IOM)」という電話帳のように厚い査察マニュアルを提供していただきました。当時は日本でも PC の個別配布が進んでおらず、私自身もガラケーを使っていた時代です。
■ CDRH フォーラムへの招待
この訪問のご縁で、後日 FDA の担当者から「外国当局向けに『FDA CDRH FORUM』を新たに開始するので参加しませんか」とお誘いをいただきました。春と秋に各 5 日、合計 10 日間のプログラムです。
ちょうどそのころ、FDA ではロックビル周辺のオフィスを統合し、現在のホワイトオークキャンパスへ移転するプロジェクトが進行中でした。せっかくの機会なので、プログラム担当の方に「ホワイトオークキャンパスを見学できないでしょうか」とお願いしたところ、半日の見学を組み込んでいただき、完成しつつあった新キャンパスを訪れることができました。
キャンパスは日本の地方大学のような雰囲気で緑が多く、建物が広く配置されており、とても居心地の良い場所でした。しかし、入口でのセキュリティは非常に厳しく、空港のようなセキュリティーチェックは当然のことでパスポートチェックの後、白黒の顔写真入りシールが発行され、見やすい場所に貼るよう指示されました。会議室にはリモート会議設備が整い、最新の環境が整っていました。
■ フォーラムの内容と国際交流
「FDA CDRH FORUM」は、各国の規制当局に対して FDA の医療機器政策や米国医療制度を紹介するプログラムで、日本からは PMDA の 4 名に加え、MHLW から FDA や USP に派遣されていた職員が参加していました。私は休暇を利用しての参加でしたが、大変貴重な経験となりました。
コメント
/
/
/
コメント