「錠剤の製造法とは」[第2回]
はじめに
「錠剤の製造法とは」[第1回]では、錠剤の製造法と粉砕およびふるい分け工程について解説した。ふるい分け装置として円形振動ふるいは、駆動用モータを内蔵し、振動体の上・下部に取り付けたウエイトにより、モータの回転運動を水平・垂直・傾斜の3次元運動に変え、この運動をふるい面に伝える1)。この上部・下部のウエイトの位相角を変えることにより、粉体の進行方向を変えることができる。ウエイトの位相角15°でうずまき運動が始まる。35°でうずまき運動が最長になる。位相角度と最大排出量の関係では、位相角20~30°程度で移送速度が速く、ふるい網上の粉体の排出量が大きい1)、2)。
[第2回]は、混合および造粒工程について解説する。
1.混合工程
混合のメカニズムは、粉体に直接、あるいは間接的に力を与え、それを運動させて構成粒子の位置交換を起させる機構である。この機構は大きく分けて対流混合、せん断混合、拡散混合の三つがある。対流混合は、粉体の入った容器に回転を与え、その中の粉体全体を大きく移動させて混合する方法で、代表的な装置としては、容器回転式がある。せん断混合は、スクリューやパドルなどの攪拌翼によって粉体の一部を動かし、粉体を構成する粒子に速度分布を与え、この速度差を利用して粒子の位置を入れ替えて混合する方法で、代表的な装置としては機械攪拌式がある。また、拡散混合は、粉体を構成する粒子間に異なる粒子を押し込むようにして、それぞれの位置交換を行い、局所的に混合する方法で、代表的なものとしては、乳鉢による混合が挙げられる3)。
混合装置の選定するに際しては、一般的に、①混合対象物、②要求される混合度、③混合量、④生産性、⑤操作性、⑥洗浄性、⑦使用する環境と適合性、⑧投資費用、⑨駆動に要するユーティリティー、⑩メンテナンスが容易などの因子が考えられる。ここで、①の混合対象物は選定因子の中で最も重要で基幹をなす因子である。ここでは、主要原料の物性(形状、粒度、かさ比重、流動性など)がその具体的な因子である。そして、②の要求される混合度、この因子はアウトプットされる物質に関する因子であり、①の因子と共に、これら2つの因子によって混合装置のタイプが選定されると言っても過言ではない4)。
固形製剤で使用される混合機としては、洗浄性の面から容器回転型(V型、二重円錐型、円筒型など)が多いが、工程削減や新しい製剤粒子製造法としての精密微細粒混合~複合粒子製造の観点から造粒・コーティング機能も兼ね備えた流動層、機械攪拌式混合機を使用する例が近年増加しつつある5)。
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