封じ込め周辺情報あれこれ【第6回】

第6回 『封じ込め周辺情報あれこれ ~コントロールバンディングの進展その1』


今回は、コントロールバンディング(Control Banding : CB )についてである。現在はリスクベースアプローチ手法が主流であるが、それ以前に構想されたCBについても、理解を深めておきたい。CBのコンセプトは、OELとハザード区分との紐づけ、ハザード区分とコントロール措置との紐づけを明確にしたという点で重要な位置付けである。

有害性が4~6段階に区分されるようになると、それに応じて、オペレータの曝露を防止するためのコントロール措置を設定しようとするのは自然な流れである。

前号で述べたように、新規の化合物が爆発的に増加してきた結果として、個々の毒性学的なデータ(OEL)を整備するのが間に合わない状態となった。一方、現場では、それらの物質を取り扱う上で、オペレータの保護の必要性も認識され始めていた。そこで、最小限の情報でハザード区分を暫定的に設定し、コントロール措置につなげようとする考えがでてきた。これが CB である。ハザード区分とコントロール措置区分を一対一で紐付けしようとする考え方である(図1)。

図1 コントロールバンディングの流れ
このあたりの詳細な経過は、SafeBridge社からの報文に紹介されている1)。少し長いが、その部分を以下に紹介する。
「…従来の評価方法では、OELの設定と現場でのサンプリング、曝露モニタリングの分析解析が必要であり、化合物ごとに行われていた。このサンプリング、分析解析の仕事は、専門家(Industrial Hygienist) によって行われていた。専門的な知識を要し、また煩雑な業務でもあったので、費用と時間がかかっていたのが実情であった。」
 

一方、新規な化合物が1980年後半から1990年初期において爆発的に増加してきたので、今までの方法で評価するのが現実的にできにくいか、できないような事態が生じてきた。また、新規化合物のすべてが具体的な毒性学的数値をもっているとは限らず、不明な状態のままで、ラボ、試作、製造の現場で従事するオペレータの健康を確保する必要が生じていた。

このような現場の安全の問題に憂慮した15の国際的規模の大手製薬企業が、1988年に集まって協議した。…その中から、このような板ばさみの状況を打破するべく、同じ認識を有していた米国内の5つの製薬企業が集まり、現場の問題点を共有し、よりシンプルなリスクアセスメント手法、設備選定を行なうための具体的な手法について、ボランティアベースで協議を開始した。この5社とは、Syntex、 Merck、Eli Lilly 、Abbott 、Upjohn( 現在のPfizer)であり、いわば『薬理活性化合物を取り扱う場合の安全なシステム』"potent compound safety management system " を構築しようとしたものである。

 

 

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