効率的・効果的なGMP監査を目指して【第6回(最終回)】
第6回:GMP監査を受けるにあたって
1.GMP監査は協業作業
GMP監査を効率的・効果的なものとするためには、監査員の努力のみでは達成することはできず、監査を受ける製造所側の理解と協力が必要となる。何故なら、GMP監査は、「監査を行う監査員」と「監査を受ける製造所側」の協業作業に他ならないのである。監査は、限られた時間内に製造所のGMP省令等に対する遵守状況や委託業務の適切性等を確認し、必要に応じて改善を依頼する必要がある。そのためには、製造所側は、監査員の質問や要求事項を正しく理解して、速やかに対応し、GMP監査がスムースに進行されるようにするための準備・努力が必要となる。
GMP監査で絶対に避けるべき事項は、事実に基づかない指摘や不適切な改善指示を行うことであり、その主な原因は、製造所側の理解力(監査員の質問等に対する)・説明力・応答力の問題である場合が少なくなく、製造所の監査対応力の向上は、効率的・効果的なGMP監査に必要不可欠な事項と考える。
2.監査以前の課題
製造所の現場の方(以下、現場従業員)は、自業務を理解し、日々、手順書に従って自業務を遂行されているが、現場従業員は、人ではなく物を取扱うことが多く、自業務を第三者へ説明する機会が少ないと考えられる。そのため、現場従業員は、手順書を理解し、手順書通りに業務を行って、日々の業務を適切に実行しているからと言って、第三者に自業務を分かり易く説明できるかは別問題と考える。例えば、倉庫業務に求めるGMP要件(What)は明確であるが、具体的な業務の進め方・手順・管理のポイント(How)は、各社各様であり、部外者である監査員は、当然、当該製造所のHowを把握できていないため、先ずは、現場従業員等の監査対応者の説明からHowを理解することになる。そのため、現場従業員の説明力は、非常に重要であり、効率的・効果的な監査とするための起点と考える。
少し厳しい意見であるが、現場従業員は、手順書を十分に理解して、手順書通りに業務を適切に実施しているだけでは不十分であり、手順書の各手順の設定理由や根拠を第三者に分かり易く説明できる必要がある。そこで、従業員の説明力を向上させるための1つの手法として、従業員自らが、自業務の説明用資料を作成することをお勧めする。説明用資料を作成する過程で自業務をより深く理解することができ、また、監査員等の第三者への説明力も向上することができる。
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