今の時代に求められるGMP監査 ~製造所と通じ合うために~【第4回】

バイオ医薬品製造とデータインテグリティ ― 高度化する技術に対する監査の在り方

前回(第3回)では、ISO 19011の「13の特質」を現場のコミュニケーションに落とし込む具体的なテクニックをご紹介しました。

第4回となる今回は、監査員が直面するハードルの高い領域である「バイオ医薬品製造」と「データインテグリティ(DI)」に焦点を当てます。

技術が高度化・複雑化する中で、監査員はどのように現場の実態を紐解き、リスクを評価すべきなのでしょうか。
ここでも、監査員個人の「特質と行動」が極めて重要な役割を果たします。


1.バイオ医薬品監査の特異性とグローバルトレンド
バイオ医薬品の製造設備は、従来の低分子医薬品とは異なる風景が広がっています。遠心分離機、限外ろ過、シングルユースバッグ、無菌ジョイントなど、特有の設備とプロセスが並びます。

監査においては、以下のようなグローバルガイドラインの深い理解をしておくことが望まれます。

  • PIC/S GMP Annex 1(無菌医薬品の製造): 施設・設備・人・プロセスを統合した「汚染管理戦略(CCS)」や、シングルユースシステムにおける「使用前滅菌後完全性試験(PUPSIT)」の運用とリスク評価など。
  • PIC/S GMP Annex 2A/B(生物学的医薬品等の製造): マスター細胞バンク(MCB/WCB)の管理や、生物学的変動(細胞のゆらぎ)の制御など。
  • ICHガイドライン: Q5シリーズ(ウイルス安全性や細胞基材等)や、Q8・Q11等のQbD(品質への設計)アプローチに基づくCQA(重要品質特性)とCPP(重要工程パラメータ)の特定。

当局(PMDA等)の指摘でも、CCSの規定不足や、無菌プロセスシミュレーション(APS)がAnnex 1の要求を満たしていないといった厳しい指摘がなされる時代となってきました。


2.高度な技術に挑むための「監査員の特質」
高度な技術領域において、監査員が全てを完璧に熟知していることは困難です。

 

 

 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます