行政と現場で紡ぐ品質文化 ~「医薬品製造業者等の品質保証体制強化」とその先へ~【第1回】
■対談者:
• 橋本 明日香(奈良県庁 薬務行政担当)
• 田中 良一(株式会社シーエムプラス シニアコンサルタント / 元厚労省GMP指導官・元京都府庁)
■実施日時:2026年3月19日(木)
■実施場所:株式会社シーエムプラス(神奈川県横浜市)
■第1回:薬事行政という仕事
田中: 改めて自己紹介から始めさせていただきます。
本日は対談形式ということで、いつもと少し勝手が違うかもしれませんが、普段通りリラックスしてお話しいただければと思います。
奈良県からお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
私と橋本さんは前職の行政時代からの旧知の仲ということで、今回この対談を引き受けていただき本当に感謝しております。
本日は、元京都府庁で現在は株式会社シーエムプラスの田中が司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本来であれば私からご紹介すべきところですが、よろしければご自身から自己紹介をお願いできますでしょうか。
橋本様: はい。奈良県薬務・衛生課の橋本明日香と申します。私は2008年に奈良県庁に入庁し、最初の2年間は薬事監視係として無承認・無許可医薬品の監視指導や、薬局等の監視指導などを担当しました。
入庁して3年目となる2010年からの2年間は、厚生労働省の監視指導・麻薬対策課へ出向しました。
1年目は未承認薬の担当、2年目は医薬品の自主回収や、製薬企業・薬局などの監視指導を担当しました。
その後、再び奈良県庁に戻りまして、現在に至るまで医薬品製造業や製造販売業の許認可、GMPなどの指導を担当しているという経歴になります。
田中: 2008年からということは、現在行政官として18年目になられるのですね。ちなみに行政の道に入られたのは、どのような理由からだったのでしょうか?
橋本様: 実は両親も公務員でして、家族の多くが公務員という環境だったため、自然とそういう流れになったという感じです。
薬剤師ではあるのですが、周りが公務員ばかりだったので、企業に就職するというイメージがそもそもありませんでした。
薬学部に進んだのも、周りから「手に職がつくし、将来いろいろなところで活躍できるよ」と勧められて、ある意味自然な流れでしたね。
田中: なるほど。実は私も似たようなところがあります。
私は元々数学や理数系が好きで、子供の頃は物理学者や数学者になりたいと思っていました。
ただ現実問題、稼いでいくとしてそれは難しいかなと考え、化学も好きだったので薬学部に進学したんです。
最初は研究者になりたいと思って大学院まで行きましたが、周りの研究者たちがあまりにもその分野に特化していて、自分とは少しタイプが違うなと感じました。
私はもっと広い視野で様々な分野に関わる方が向いていると思い、薬局や病院ではなく、まずは公務員をやってみようと思いました。
公務員だと色々出来るかなと思いまして。
少し動機は違いますが、そうして公務員になり、薬事に関わることになりました。
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