GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第88回】

GMP省令遵守
1.責任者
バリデーション責任者についてGMP事例集1)に記載されている。
バリデーション責任者を複数の剤形の医薬品を製造する製造工場から質問を受けたことがある。製造工程と試験検査工程で別のバリデーション責任者を置きたいと希望された。セミナーでバリデーション責任者が、その専門性から別に定めるべきと答えたコンサルタントがいると聞いたこともあった。GMP管理としてバリデーション責任者はマスタープランに基づき適正に検証していることを確認しなければならない。ある部門のバリデーションで検証できない場合、他の部門に影響してないか、複数のバリデーションの実施状況、検証内容に問題ないことを確認する必要がある。個々のバリデーション結果を確認するのではなく、製造業として、バリデーションを統括的に判断するのがバリデーション責任者の任務であり、その結果をQA管理責任者や経営陣等の総括管理管理者に報告する任務がある。その上で、品質システムとして適切に稼働していることを確認しなければならない。
責任者が必要な部署は、措置、規模及び業務に応じて置く必要がある。手順書として考えると、①製造管理、②衛生管理、③試験検査管理、④安定性モニタリング、⑤製品品質照査、⑥供給者管理、⑦外部委託管理、⑧出荷管理、⑨バリデーション、⑩変更管理、⑪逸脱管理、⑫品質情報・不良処理、⑬回収処理、⑭自己点検、⑮教育訓練、⑯文書管理等がある。製造管理、品質保証及び試験検査に係る業務が適正かつ円滑に行われるよう統括的管理を行うために責任者を定める必要がある。その業務を行う部署を基本に責任者を置く必要がある。QA(品質保証部門)に多くの責任者を置く施設も多いが、その業務が適切に稼働できるように、単に担当者を責任者にすべきではない。
コメント
/
/
/
コメント