効率的・効果的なGMP監査を目指して【第5回】
第5回:GMP監査での指摘
1.観察事項
観察事項の用語が一般的かは別として、本稿ではGMP監査員が監査で気付いた事項とし、具体的には、速やかな改善が必要な事項、改善が必要な事項、改善が望ましい事項、参考事項(監査経験を踏まえたアドバイス)と定義する。先の投稿でも記載したが、監査は、多忙な製造所から貴重な時間を奪い、多くの責任者・担当者を拘束する等、製造所に多大な負担を強いることになるため、監査に協力いただいた感謝の意味でも、原則、全ての観察事項を製造所側に伝えることをお勧めする。但し、以下に記載している通り、観察事項(指摘事項)の伝え方や伝える場には、工夫や配慮が必要である。
2.指摘事項
観察事項は、該当事項のGMP省令・GQP取決め・品質等への影響の程度によって、文書に拠る指摘事項・推奨事項、口頭でのコメントに振り分けられることになる。観察事項の内、速やかな改善が必要な事項・改善が必要な事項・改善が望ましい事項は、すべてラップアップミーティングで説明して、文書により改善を指示するのが監査員としては一番楽であり、監査員としての責任を回避することができる。しかし、上記の様に監査で確認した全ての観察事項を製造所側に一方的に投げるような監査手法は、適切な監査とは言えず、また、長期的な観点からは製造所のGMP体制・品質保証体制の維持並びに運用に悪影響を及ぼす可能性がある。
観察事項は、該当事項のGMP省令・GQP取決め・品質等への影響の程度によって、最終的には品質保証責任者が「文書に拠る指摘事項・推奨事項」と「口頭でのコメントのみ」を決定することになる。しかし、その前段階である監査の場において、①観察事項が確認された場のみで観察事項を説明するのか、②観察事項が確認された場及びラップアップミーティングで観察事項を説明するに留めるか、③観察事項が確認された場及びラップアップミーティングで説明し、最終的に文書により改善を指示するのかを、各観察事項のリスクや状況に応じて、適切な方法を選択できるかが監査員としての真の力量と考える。
GMP省令等を熟知できれば、指摘すること自体は非常に簡単であるが、観察事項をどのような場で、どのように説明するかが監査の重要なポイントであり、また、監査としてのアウトプットの成否(製造所側が納得して適切な改善を図る)に繋がると考える。以下に具体的な事例に対する私見を述べる。
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