薬事屋のひとりごと【第16回】
「使用上の注意」の改訂について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/iyaku/index.html
筆者が気になる通知をひろいあげて、ひとりごとをお伝えするシリーズです。ひとりごとは読み流していただき、読者の皆さんが通知をお読みの上、しっかり内容を把握いただくと助かります。
今回は100年使われた薬でも、実は「完成」していないという話です。「昔からある薬だから安心だよね」私たちは、ついそう考えてしまいます。でも実は、医薬品の世界では長年使われている薬ほど、今になって新しい注意喚起やルール変更が行われることがあります。2026年前半にその象徴とも言える事例が相次ぎました。
事例① 50年以上使われる炭酸リチウム
双極性障害の治療薬として半世紀以上使われている炭酸リチウム。2026年6月、妊娠中の使用に関する注意事項が改めて強化されました。驚くのは、「新しい副作用が見つかった」わけではないことです。妊娠中のリスクは以前から知られていました。しかし近年、欧米で数万人規模のデータが蓄積され、実際のリスクはどの程度か、薬をやめるリスクとどう比較するべきかが、より正確にわかるようになりました。つまり今回の通知は、「危険性の発見」ではなく「リスク評価のアップデート」なのです。
事例② 子どもに処方される抗菌薬
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