医薬品開発における非臨床試験から一言【第80回(最終回)】
非臨床試験の総括・新薬の評価
これまで「医薬品開発における非臨床試験から一言」をテーマに創薬に触れてきましたが、『創薬』とは何でしょうか? アメリカの発明家、トーマス・エジソンの名言に「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である 。」との言葉が残っています。私もひらめきと努力の成果が新薬になっていると思います。創薬の現場では、次々と「ひらめき」が報告され、協議を重ねて、取捨選択しています。私たちは多くの知恵を合わせることで「エジソン」を目指しています。
「ひらめき」は新薬の原石であり、新規化合物を目指す「方針」かもしれません。そしてスクリーニング試験が始まり、ゴールは新規医薬品を治療現場に提供することです。単に化合物を発見することは、スタートラインにすぎません。もしかしたら、スタートラインに向けての準備段階であり、過酷な創薬競争に向けてのエントリー段階かもしれません。
医薬品は有効な治療を支える医薬サービス業のツールとなり、提案した有効性を保証して市場に提供することが必要です。新薬の評価の手順において、最初のスクリーニング試験では、原薬の合成、有効性と安全性を確認し、ステップアップする化合物を選択し、承認申請に進める化合物を決定します。ここでは研究方法と研究環境について標準手順書(SOP)を作成し、研究結果の再現性に務めます。
私たちは大動物を用いた安全性試験で、臨床の用法に沿った動物実験モデルができず、PMDAとの面談で一般的な用法で研究報告すると、専門家から「出来ないは、やらなくてもよい理由にはなりません」との回答を受けました。それで大動物の実験モデルを開発して、臨床の用法用量に沿った試験を完遂して治験移行が可能になりました。
医薬品の価値について、日本製薬工業協会の資料から解説します。医薬品の情報をピラミッドに例えると、その土台部分に「本質的価値」があり、その上に「付加的価値」が積み上げられています。バランスのとれた情報のピラミッドが医薬品の価値を総合的に有効にします。
医薬品の価値のピラミッド

参考:製薬協・医薬産業政策研究所 資料20
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