ラボにおけるERESとCSV【第140回】

FDA 483におけるデータインテグリティ指摘(110)


7.483における指摘(国内)
前回より引き続き、国内企業に対するFDA 483に記載されたデータインテグリティ観察所見(Observation)の概要を紹介する。

■ PPPPP社 2026/5/22
施設:製剤工場
査察官:Monica E. Murie

■ Observation 3-A
テストチーフとテスト実施者が管理者アクセス権限をもっており、バックアップファイルの変更削除やWindows OSの日時変更ができる。

★解説
システム管理者権限
テストチーフ、テスト実施者など、試験を実施・照査・承認する職員は、自らが関与する試験記録を改ざん・削除する動機を持ちうる。にもかかわらず、記録の変更・削除が可能なシステム管理者権限をテストチーフとテスト実施者に与えていたので指摘されている。

バックアップの保護
バックアップはシステムを障害等から復旧させるのに使用されるが、そのバックアップは真正でなければならない。つまりバックアップは改変削除から保護されていなければならない。にもかかわらず、記録を改ざん・削除する動機を持ちうるテストチーフとテスト実施者がシステム管理者権限をもっており、バックアップの変更削除ができてしまうので指摘されている。

日時変更
OSの日時変更ができると、記録のタイムスタンプを改変できてしまう。記録を改ざん・削除する動機を持ちうるテストチーフとテスト実施者に、日時変更権限を与えていたので指摘されている。

■ Observation 3-B
バックアッププログラムが不適切であり、製剤のテストやリリースに使用している分析機器制御管理システム中の電子記録が消失や破損から保護されていない。

 

 

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