中国における医薬品投資環境と外資系製薬の将来展望
中国における医薬品投資環境と外資系製薬の将来展望
中国の医薬品市場は今、歴史的な転換点にあります。政府による強力な外資投資誘致政策、記録的なスピードで進む臨床試験、そして爆発的に増加する革新薬の「ライセンスアウト」は三位一体となり、中国は単なる「巨大な販売市場」から「世界のイノベーションを牽引する策源地」へと完全に姿を変えました。
1.外商投資誘致政策など外資製薬企業の発展に有利な政策
中国政府が2026年6月に『利用外資固穏促優行動方案(外資利用の安定化と質的向上を促す行動プラン)』を発表しました。この行動方案は、2024年8月に打ち出された「高水準対外開放の確実な推進及び外資の誘致・利用のさらなる強化に関する行動方案」を強化したものです。
今回の行動計画では、外資が中国の医薬・医療などの高品質な発展に深く参入できるよう、以下のような具体的な規制緩和と支援措置が明記されています。
① 外資企業の運営について
バイオ技術分野、および外資独資病院の設立について、外資開放を認める試行地域の範囲拡大に向けた研究・承認を迅速に進めています。
② 医薬品の研究開発について、
外資企業による中国国内でのR&Dセンター設立を強く推奨。海外からの高度人材の誘致を優遇するほか、法に基づいて輸入する科学研究用アイテムに対する税制優遇(免税等)を適用し、イノベーション成果の事業化を後押しします。
③ 医薬品研究開発データについて
自由貿易試験区やサービス業開放試行都市において、シナリオに応じたデータ出境のネガティブリストを作成。あわせて、「医薬」などの業界分野における重要データの識別カタログの策定を推進します。これにより、臨床データなどの国際的なやり取りが、より明確な基準のもとでスムーズになります。
④ 医薬品の製造について
医薬品製造販売承認(MAH)保持者が、バイオ製品や化学薬品のクロスボーダー段階分け製造(製品の製造工程を複数の国や地域に分けて行うスキーム)を円滑に行えるようになり、生産・調達のグローバルな最適化が可能になるために、医薬品のクロスボーダー段階分け製造の実施細則の策定を急いでいます。
⑤ 医薬品の販売について
- ビジネス保険会社が、より多くの「革新的医薬品・医療機器」を商業医療保険の補償範囲に組み込むことを奨励します。
- 業界の連携プラットフォームを構築し、外資企業が生産した医薬品が、中国国内の医薬品小売チャネル(一般の薬局など)へ円滑に参入できるよう利便性を高めます。
集中購買で安価に医薬品を購買するなど、外資企業に不利な政策の実施にもかかわらず、中国の膨大な市場の魅力に加え、近年打ち出された革新薬の発展を促進する政策と、上記2024年からの外資製薬企業の支援政策のお陰で、2025年には中国で実施する国際多施設共同治験が爆発的進化し、中国における新薬を多く有する外資製薬企業の投資もブームになっています。
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