【解説】GMP調査から読み解く「GMP適合性の本質」【第3回】
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【第3回】
令和7年薬機法改正― リスクベースド・アプローチの本格導入
前回は、製造販売業者の管理監督責任の強化と、法的拘束力の増大などについて触れました。
第3回となる今回は、改正法がもたらす調査制度の「効率化と柔軟性」に焦点を当てます。
行政は限られたリソースをリスクの高い製造所に集中させる一方、管理水準の高い製造所にはインセンティブを与える仕組みへと舵を切りました。
1.定期GMP調査の変革:一律5年から「リスク評価」へ
これまでの定期GMP調査は、品目ごとに承認後5年ごと、一律に実施されるのが原則でした。
しかし、改正後はこの仕組みが大きく変わります。
- 調査周期の短縮: 調査の基本周期は「3年」となります。
- リスク評価に基づく要否判断: リスク評価に基づき、調査の要否が個別に判断されるようになります。
- 低リスク製造所の調査省略:「基準に適合しないおそれが少ない」と評価された低リスクな製造所については、実地・書面を問わず調査を行わないという選択肢が明文化されました。
ただし、この変更は、決して規制が緩くなることを意味しているものではないと考えます。
「普段から高い水準で管理できているか」というデータの裏付けがあれば、行政調査の頻度が下がるという、いわば実力の可視化を求める制度と言えるでしょう。
2.「基準確認証」制度:品目調査から「製造所単位」へ
改正法のもう一つの目玉は、第14条の2に関係する「基準確認証」制度の拡充です。
基準確認証の制度は令和元年の薬機法改正により導入されました。
それまでは、GMP調査は基本的に製造販売業者に関する品目(製品)毎に行われてきました。
しかし、同じ製造工程区分(剤形など)を共有する複数の品目を製造している場合、品目ごとに調査を受けるのは企業側にとっても行政側にとっても大きな負担でした。
製造業者が申請し、特定の製造工程区分においてGMP基準に適合していることが確認されれば「基準確認証」が交付されます。
これにより、品目ごとの調査から、製造工程(製造所)単位の調査へと移行することが可能になり、また製造販売業者とは独立して申請を製造業者がコントロールできるという利点があります。
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