ゼロベースからの化粧品の品質管理【第65回】
―新原料を活用した化粧品ビジネスへの展開に際しての留意点(No.2)―
化粧品GMPの要求事項を中心に、質管理で気になる事項についてお話をさせて頂いています。前回は、新規原料を活用した“新規化粧品ビジネスの展開について”お話しました。
今回は、もう一歩踏み込んで、他業界の方、例えば、食品メーカーの方がOEMを活用して化粧品業界に参入する場合の実務的な留意点を整理しました。
「法規制」「責任構造」「品質保証体制」「OEMとの情報連携」が重要となることから、この4点を中心に実務上の盲点と対策を説明します。
基本的な留意事項は分かっていると指摘を受けそうですが、市場で販売する商品について、法的責任と市場責任が化粧品では少し複雑ですので、違いを中心にお話します。
食品業界と化粧品業界はいずれも“安全”を基盤とする産業で、GMP体制を始め基本的な品質保証の考え方は同じですが、責任主体の構造と行政対応の枠組みが根本的に異なる点の理解が必要です。
1.食品業界と化粧品業界とのビジネススキームの違い
食品業界では、長年にわたり「安全」「品質」「信頼」という視点から、原料のトレーサビリティ、微生物管理、アレルゲン対応など、食品衛生法を基盤として、HACCP、トレーサビリティ、アレルゲン管理を軸とした安全性確保体制が求められ、最終責任主体は原則として製造者です。
一方、化粧品は医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき規制され、「製造」と「製造販売」が制度上分離されています。この構造が最大の違いです。
そのため、食品分野の事業者が化粧品領域に参入する際には、「品質・安全」と同時に「法規・責任」の理解が不可欠です。近年では、OEM(相手先ブランド製造)方式により、製造販売業許可を持たない企業でもスムーズに化粧品市場へ参入するケースが増えています。しかしながら、「法規・責任」の運用においては、実務的な留意点についてあまり整理がされていないケースがあり、“クレーム対応”や“市場回収”等のトラブル発生の際に、“完全にブラックボックス状態”で、“OEM先”に丸投げするしか対応方法がなく、困ってしまうケースが考えられます。
食品メーカーがOEM製造販売モデルを採用する場合、行政上の最終責任はOEM側が担います。しかし、消費者から見たブランド責任は販売元に帰属します。この“責任の二重構造”が実務上の難所です。
図表1.責任構造の比較

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