プレフィルドシリンジの製剤設計【第4回】
今回は、プレフィルドシリンジ製剤の製造工程についてお話しする。
1.製造工程の開発
プレフィルドシリンジ製剤の製造ラインは、バイアル製剤の製造工程に追加してキャップ、プランジャーストッパー(ガスケット)、シリコンオイルおよびプランジャー等の資材が追加される工程となる。図1 に最終滅菌製剤の製造工程フロー図を、図2 に無菌操作製剤の製造工程フロー図を示した。
最終滅菌製剤では、薬液の調製ラインとして溶解-定容(いわゆるメスアップして最終容量とする工程)、ここで工程試験として注射剤の重要なpH 確認や含量確認を行い、0.45μmフィルターを通して異物や原料、環境から混入してくる大多数の微生物の除去を行い、次工程として0.22μmフィルターを通して無菌化する。
別に容器としてのシリンジのバレル(注射筒)、キャップおよび摺動性を確保するためのシリコンオイルを用意して、洗浄やろ過を行い容器として組み立てる。
この組み立てた充填前のシリンジの搬送工程では、バレルで突き出ているフランジの破損や、針が付いている場合には針の突き抜けおよび針曲がり等が起こるために、バイアルのような集積工程や振動輸送という搬送方法を取ることができず、一つずつチャックによる搬送が主流となっている。
この容器に薬液を充填してプランジャーストッパーで打栓を行う。この打栓の方式には、機械打栓方式と真空打栓方式がある。機械打栓方式は、ガスケットを機械的に押し込む方式のために正確な打栓ができる。一方でノズルがバレルの中に入るのでバレル表面を傷つけることがある。また、ガスケッ ト表面がテフロンシートで覆われている場合には、機械による圧縮でテフロンにしわが寄ることがあり、使用できない。プラスチックバレルの場合には、バレルに傷のつくことが無いように真空打栓を用いることが多いが、バレルとガスケットの間の到達真空度によってガスケット到達位置のずれ、 ガスケットの向きが横向きになることがあり、その確認が必須の工程となる。
最終滅菌製剤では、滅菌時にバレル内外の圧力差が生じるとガスケットが滅菌中に後退して移動するため、飽和蒸気滅菌を行うことはできず、加圧空気を追加して滅菌を行う。
滅菌終了後には、バレルとガスケットの外側に蒸気の凝縮あるいは冷却水が残るため、乾燥工程が入る。
乾燥工程後に工程試験として異物試験やガスケットの位置やキャップからの漏れおよび容器の完全性等を確認する。
プランジャーは、その後にはめ込み、更にはラベル貼付を行い二次包装工程へと移動する。
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