【第2回】SDGsの概要について
マクロ視点とミクロ視点から見るSDGs
第2回目となる今回は、マクロ視点とミクロ視点からSDGsを見ていきたいと思います。
マクロ視点では、日本の評価や置かれている状況について説明し、ミクロ視点では、SDGsを達成していくために重要な考え方についてお伝えできればと思っています。
<マクロ視点から見るSDGs>
マクロ視点から見るSDGsということで、今回は、人間の世界幸福度ランキングとSDGs達成度ランキングを示しながら説明していこうと思います。第1回の記事でも少し触れましたが、SDGsへの取り組みは、人々の幸福度とも密接に関連していることが明らかになっています。
※まだ第1回記事を見ていない方は、ぜひ第1回記事をご覧ください。
【第1回:SDGsの概要について】
https://www.gmp-platform.com/article_detail.html?id=28483
世界の幸福度ランキングとSDGsの達成度ランキングを比較すると、特にヨーロッパ北部の国々が両方のランキングで上位に位置している点が注目されます。
日本に目を向けてみるとどうでしょうか。日本は以下のような順位になっています。
皆さんはこのランキングを見て、高いと思ったでしょうか?低いと思ったでしょうか?
このようなランキングを見るときに注意していただきたいのは、表面上の順位だけで判断するのではなく、評価軸や社会的背景にも目を向ける必要があるということです。
例えば、幸福度ランキングは、カントリル・ラダーと呼ばれる手法で収集された自己評価に基づいています。回答者が自身の人生を0から10のスケールで評価するものですが、国や文化によって「幸せ」と感じる基準が異なるため、評価が一律で比較できるとは限りません。また、回答時の気分や直近の出来事に左右されやすく、安定した測定結果が得られにくい場合があります。
SDGs達成度ランキングは、17のSDGs(目標)ごとに定められた具体的な指標をもとにスコアを算出し、総合点を比較することで順位を決定しています。これらのデータは、国連機関や世界銀行、OECDなどが提供する公式データが多く使われています。このようなデータは信憑性があり、比較しやすいですが、ここで注意しなくてはいけないのは国の規模の大きさです。小さい国(人口が少ない国、土地が小さい国)ほど、舵は取りやすく、大きい国ほど舵は取りにくいことを理解しておかなければいけません。イメージしていただけたらわかると思いますが、数十人程度の小さい組織と数千人程度の大きな組織では、どちらが早く決断し、行動できるでしょうか?意思疎通や合意形成のやりやすさが全く違ってきます。また、地理的範囲が限られていると、地域の特性を踏まえた施策なども柔軟に導入しやすくなります。その観点からランキングを見てみると実は、人口を1億人超える国の中で、日本はトップなのです。
もちろん、課題もたくさんありますが、このことからも、日本は人口大国かつ誰一人取り残さない持続可能な社会システムを世界に提示できる国の一つであるということが言えます。
国別評価においても、これまでゴール4、ゴール8、ゴール9、ゴール16においては高い評価を受けています。これは、日本における草の根活動に支えられた教育・技術開発が、安定的な雇用と治安維持をもたらし、世界から見ても最高水準の取り組みを行っていることを示しています。
このようにランキングの評価軸や背景を知ると、見方が変わってくるのではないでしょうか?
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