中国化粧品登録届出制度の大幅な緩和

一、中国化粧品産業の現状

中国の化粧品市場は、全チャネルの取引額が1兆1042億4500万元に達し、市場規模は初めて1兆元(約23兆円)の大台を突破しました。この巨大市場における競合環境は、以下に示す通り大きな構造変化を見せています。

中国国産ブランドは「国潮(中国トレンド)」の波とEC・SNSマーケティングを背景に急速にシェアを伸ばしています。2022年に初めてシェア50%を突破して以降、2023年(52.82%)、2024年(55.20%)と順調に拡大し、2025年には57.37%に達しました。2022年時点では欧州・米国の外資大手3社(ロレアル、P&G、エスティ ローダー)が合計約28%のシェアを占め市場を牽引していましたが、現在では国産ブランドが市場の約6割を占める主役に躍り出ています。

一方で、直近の決算データからは「ハイエンド美顔・スキンケア、フレグランス、ドクターズコスメ」分野において、外資系グローバル企業が力強い回復を見せ、中国市場が再び世界的な成長エンジンとなっている実態が浮き彫りになっています。

  • ロレアル(L'Oréal): 2025年下半期以降、中国市場でのハイエンド領域が二桁近い成長を記録。高価格帯部門で約30%のシェアを保持し、皮膚科学美容部門は19%増と大幅増を達成しました。2026年第1四半期も中国市場が主導し、売上成長が加速しています。
  • エスティ ローダー(Estée Lauder): 2026年第3事業年度(2026年3月末期)の中国本土における売上高が二桁の成長を記録しました。「ドゥ・ラ・メール(La Mer)」「トム フォード(TOM FORD)」「ル ラボ(Le Labo)」などが牽引し、海南島の免税チャネル売上も30%以上増加しました。
  • 資生堂(Shiseido): 2026年第1四半期、中国およびトラベルリテール事業が全体売上の33.8%(783億2600万円、前年同期比4.5%増)を占め、最重要市場を維持しました。コア営業利益は18%増と大幅に改善し、「CPB(クレ・ド・ポー ボーテ)」「NARS」が強力な伸びを示しました。
  • P&G(SK-II): 2026年第3事業年度において、大中華区(中国内陸、香港、マカオ、台湾を含む「両岸四地」)の「SK-II」の売上が前年同期比13%増と二桁成長へとV字回復を果たしました。
  • バイヤスドルフ(Beiersdorf): 2026年第1四半期において、皮膚科学美容ブランド「ユーセリン(Eucerin)」が中国市場で高い二桁成長を達成しました。

マス市場では価格・チャネル競争が激化して国産ブランドが優位に立つ一方、高いブランド力と研究開発力を持つ外資系企業はハイエンド領域から確固たる復調を遂げており、市場の二極化が進んでいます。


二、化粧品産業の発展を推進するための大幅な規制緩和

2025年11月17日、中国国家医薬品監督管理総局(NMPA)は「化粧品規制改革の深化と産業の高度な発展の促進に関する見解」を発表し、化粧品の登録・届出管理の有効性向上を中心に、化粧品新製品の中国における先行発売の奨励、登録・届出資料の最適化、技術審査・評価の質と効率の向上など、登録・届出改革を深化させるための一連の措置を打ち出しました。

2026年6月、7月に「化粧品規制改革の深化と産業の高度な発展の促進に関する見解」の政策を反映させる新原料の登録届出に関する規定を改定し、かつ製品である化粧品の登録・届出に関する事項を改善しています。

 

 

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