【解説】GMP調査から読み解く「GMP適合性の本質」【第1回】
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【第1回】
GMP調査要領と「透明性」の新時代
近年、製薬業界における相次ぐ重大な法令違反事案が起きました。
それを受け、行政の監視指導~GMP調査~は今、転換期を迎えています。
その行動原理を司る行政のバイブルが「GMP調査要領」です。
なお、こちらは直近の令和8年(2026年)4月1日施行の改正がされており、最近の別の記事でご紹介させていただいたところです。
まず、「GMP調査要領」から見えてくる行政当局が目指す監視の真意などを解説します。
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1.調査当局のバイブル「GMP調査要領」
GMP調査に臨む際、調査官がどのようなマニュアルに従って動いているかを知ることは不可欠です。
それが「GMP調査要領」です。
この要領は、PMDAや47都道府県といった全調査権者の間で、体制や業務の根拠を統一し、「標準化」を図るためのものです。
近年、この要領が相次いで改訂されている背景には、行政側の強い危機感があると考えます。
- 令和6年3月改訂: 違反事例の多発を受け、調査体制の更なる強化を明文化。
- 令和8年4月施行(最新改正): 「国際整合」と「透明性の確保」の観点から、GMP調査内容を可視化。
GMP調査官は書類の有無だけを見に来ているのではありません。
実効性を問う厳しい視線で、皆さまの製造所の真の姿を浮き彫りにしようとしています。
2.GMP調査の2大ルート:適合性調査と立入検査
製造所が受けるGMP調査は、大きく分けて以下の2つの法的枠組みで行われます。
① 適合性調査・確認(いわゆる申請調査)
製造販売業者や製造業者が自ら「調査してください」と行政に申請するルートです 。
- 主な種類: 承認時、一変(一部変更承認)時、既存定期調査、区分適合、輸出用など。
- 特徴: 基本的には事前調整(通告)があり、日程が決まった上で実施されます。
② 立入検査等(薬機法第69条調査)
行政側が法的に認められた立入権限に基づき必要に応じて実施する「監視」としてのルートです。
- 通常調査: 定期的に法令遵守状況を確認するもの。
- 特別調査: 回収事案の発生、指摘後の改善確認など
- 特徴: 事前通告がある場合もあれば、「無通告(抜き打ち)」で行われることもあります 。
行政側は、これら2つのルートを組み合わせ、限られたリソースで最大限の監視効果を狙っています 。
3.「リスク評価」が左右する調査の頻度と密度
行政は全国の製造所のリスク情報を相対的に比較しています。
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