GMPヒューマンエラー防止のための文書管理【第96回】
医薬品製造業廃止
1.破産手続き
Yahoo!JAPANニュース 9/8(月) 15:39配信 (1
医薬品製剤を手がけていたネオクリティケア製薬(神奈川)が破産
ネオクリティケア製薬(株)(TDB企業コード:985188816、資本金1億円、神奈川県厚木市旭町4-18-29、代表プラシャント・シャルマ氏)は、9月5日に東京地裁に準自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた
破産した製造所は注射剤の製造する業者で、医薬品製造業と製造販売業を取得している。製造品目としては、多くの製造販売業者から委託され、製造する品目がほとんどで、自社製造販売業の品目は少ない状況である。企業として古くから操業しており、多くの製販者から委託されていた。資本の点で問題があり、経営陣の交代など、企業として変革していたが、今回、倒産となってしまった。医薬品製造業者の倒産はあまりなく、企業の合併や買収など、他のグループへ移転し、工場の設備や従業員、製造技術、試験検査技術、GMP品質システムなどを受け継ぐ場合がほとんどである。しかし、今回、倒産となったことで、製造委託する製造販売業者との製造や試験検査などの情報伝達がスムーズに行えるかが問題となる。医薬品製造業の廃止について、許可証を返納することが規定されている。法的には、廃止する場合の規定はない。今回のケースでは、製造販売業の許可も取得しているので、製造業と製造販売業の廃止手続きが求められいる。
GMP省令として、廃止の際の規定はない。しかし、廃止前に製造した医薬品の取り扱いなどを行う必要がある。医薬品が市場に出荷された際の品質、有効性、安全性を担保しなければ、医療機関や患者の不安を招くことになる。しかし、製造業者が破産することで必要な情報が提供されないこともあり得る。
GMP管理として廃止する製造所に求められるものがないが、その製造所で製造の期間、出荷日等を考慮し、市場へ出荷され、医療機関、薬局等に流通し、患者に施用され、使用する医薬品がある場合、品質上、問題がないか、クレームが生じた場合の対応が可能となるよう対策を立てる必要がある。製造委託をした製造販売業者として、責任が生じるが、その際、品質に問題がないかチェックできるよう製造業者のGMP品質管理上の記録について、製造記録や試験検査記録、逸脱等の発生の有無などをチェックする必要がある。また、安定性モニタリングの実施のため、検体と参考品、保存品も製造所から受領しなければならない。
今回、破産した中で、製造所として、資金として厳しい状況であり、GMP管理の徹底に努めていたが、設備機器、衛生管理、原料、資材の供給者管理など不足がないか検証すべきではある。品質維持の徹底がされ、市場へ出荷された医薬品のリスクがないことと今後の供給体制の維持のために責任を保持する必要がある。
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