【解説】健康食品GMPの実践的対応ガイド ~紅麹事案を教訓に、医薬品GMPから学ぶ品質保証体制の構築~【第9回】(最終回)

【第9回】信頼される組織であるために ― GMP導入と継続的改善への道

本稿は、Wellness Daily News(https://wellness-news.co.jp/)に寄稿した記事を再編し掲載します。
Wellness Daily News掲載記事(2025.12.17)『健康食品GMP実践的対応ガイド(9) 【寄稿】最終回、信頼される組織であるために~GMP導入と継続的改善への道


全9回にわたる本連載も、今回が最終回となります。これまで、健康食品GMPの背景から基本原則、具体的な管理手法までを解説してきました。最終回では、これまでの内容を総括し、GMPを導入するための具体的なロードマップと、GMPの根幹をなす最も重要な要素、「品質文化」についてお話しします。

1. GMP導入へのロードマップ
これからGMPを導入、あるいは既存のシステムを刷新するにあたり、以下のステップで進めることが効果的です。

  • ステップ1: 現状分析(ギャップ分析)
    • まず、自社の現在の製造・品質管理体制が、GMP告示の要求事項と比べて、どこにどれだけの乖離(ギャップ)があるのかを正確に把握します。
  • ステップ2: 体制構築
    • GMPを推進するためのチームを結成し、総括責任者、製造管理責任者、品質管理責任者を正式に任命します。まずは、組織内での責任と権限を明確に定義することが重要です。
  • ステップ3: 文書体系の構築
    • 第5回で解説した、製品標準書、製造管理基準書、品質管理基準書、各種手順書(SOP)などの文書を作成・整備します。
  • ステップ4: 設備・環境整備
    • 必要に応じて、施設の改修や設備の適格性評価、計器の校正プログラムなどを実施します。
  • ステップ5: 教育訓練
    • GMP関連業務に携わる全ての従業員に対し、GMPの基本理念から具体的なSOPまで、計画的な教育訓練を実施します。
  • ステップ6: 実施・評価・改善
    • バリデーションの活動を含むGMPの本格運用を開始し、稼働後は、定期的な自己点検や変更管理・逸脱管理を通じてシステムの継続的な改善(PDCAサイクル)を回していきます。

2. 品質文化(クオリティカルチャー)の上に成り立つGMP
これまで解説してきた組織体制、文書、バリデーション、各種管理システムは、いわばGMPの「ハード」と「ソフト」です。しかし、これらを本当に機能させるためには、その根底に流れる「品質文化(クオリティカルチャー)」という組織風土の醸成が必要不可欠です。
品質文化とは、「品質を最優先する」という価値観が、経営層から現場の一人ひとりにまで浸透し、日々の行動の基準となっている状態を指します。近年の医薬品業界で起きた数々の不正事案の根本原因も、技術的な問題以上に、この品質文化の欠如にあったと指摘されています。

 

 

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