【解説】GMP適合性調査の実践的対応ガイド ~本質的な法令遵守を踏まえたGMP適合を目指して~【第1回】

GMP適合性調査への適切な対応を求めて


近年、後発医薬品の供給不安問題や相次ぐ製造・品質管理に関する不正事案を受け、医薬品製造における信頼性確保が社会的な急務となっています。令和3年8月の改正GMP省令の施行、そして令和7年の薬機法改正の動きは、こうした背景から、企業に対してより高度な品質保証体制と法令遵守を求めるものです。
このような状況下で、PMDAや都道府県が実施するGMP適合性調査(査察)の重要性はますます高まっています。調査は、もはや単なる手続きや形式的なチェックではありません。企業の品質文化、ガバナンス、そしてリスク管理能力そのものが厳しく問われる場へと変貌を遂げているのです。
しかし、多くの製造現場では、日々の業務に追われ、調査に対して漠然とした不安を抱えながらも、具体的な対策を体系的に学ぶ機会は少ないのではないでしょうか。

本稿では、GMP適合性調査の法的根拠から、調査当日の具体的な流れ、調査官との効果的なコミュニケーション方法、そして最近の指摘事例の傾向と対策までを網羅的に解説します。長年の行政経験で培った視点も交えながら、調査を受ける側の企業担当者が、調査を単なる「審査」ではなく、自社の品質システムを向上させるための「機会」として捉え、そして最終的には本質的なGMP適合を目指すために自信を持って対応できるようになるための一助となれば幸いです。

■連載予定

  • 【第1回】GMP適合性調査への適切な対応を求めて(本記事)
  • 【第2回】GMP適合性調査の全体像 ― 法令の構造と当局の視点
  • 【第3回】調査の実際① ― 事前準備からオープニングミーティングまで
  • 【第4回】調査の実際② ― 現場ツアーと書面調査に求められるもの
  • 【第5回】調査の実際③ ― ラップアップミーティングと指摘事項への対応
  • 【第6回】最近の指摘事項の傾向と対策(その1)― 品質システム・DI・逸脱管理
  • 【第7回】最近の指摘事項の傾向と対策(その2)― PQR・供給者管理・バリデーション
  • 【第8回】最近の指摘事項の傾向と対策(その3)― OOS処理と承認書との整合性
  • 【第9回(最終回)】調査官は「品質文化」を見ている ― 信頼される組織であるために

なお、本内容に関する講演依頼がございましたら、Webフォーム(https://www.gmp-platform.com/contact.html)よりお問い合わせください。

また、執筆者のGMPコンサルタント 田中が下記セミナーを担当します。
今後、GMP適合性調査に対応予定の方、より詳細に情報を得たい方、田中に質問してみたい方は、GMP Platformセミナーへご参加ください。

■12月4日
GMP査察対応者養成講座
~国内の実地調査対策と指摘事例から学ぶ~
https://www.gmp-platform.com/seminar_detail.html?id=2781

 

 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます